ニューバランスのヒールカップ修理

/ 店長 靴修理事業部

NewBalance(ニューバランス)のヒールカップの修理について

ニューバランスのかかとの外側についているパーツは、樹脂で出来ており、劣化すると割れてきてしまいます。
割れたパーツをくっつけて直す…だとか、同じような樹脂のものをつける…ということは出来ないため、当店では上から革をあてて修理をしています。

この部分の修理の際には、いったんソールを剥がす必要があります。
ソールがそのまま再利用できれば再接着をしますが、ヒールカップが劣化している頃にはソールも同様に劣化していることが多いので、その場合はソールも交換が必要となります。

―Before① ソール全交換パターン

結構履きこまれているようで、ヒールカップはだいぶ劣化していました。
ソールは、ミッドソールに関してはまだ使用しても問題なさそうでしたが、今回はお客様のご要望で、すべて新しいものに交換することにしました。

―After① ソール全交換パターン

ヒールカップはベージュ、ウエッジの部分はグレー、ミッドソールは白のEVAスポンジで作製しました。
アウトソールはビブラムソールを使用しました。
全部スッキリ綺麗になりました!

―Before② ウエッジ部分を交換パターン

一度も履いていない状態ですが、加水分解によりウエッジの部分が劣化していました。
ご依頼時にはヒールカップの部分は問題なく見えたので、当初はウエッジ部分のみの交換ということでお引き受けしたのですが、作業を始めてみるとベタベタと劣化が始まっているのが分かり…、ヒールカップも一緒に修理することにしました。

―After② ウェッジ部分も交換パターン

ヒールカップは黒色、ウェッジの部分は茶色にて修理しました。
ミッドソールとアウトソールはそのまま再利用しています。

―Before③ ヒールカップのみ

アウトソールはそのまままだ使えそうだったので、再利用することにしました。
ソールの接着剤が劣化し剥がれてきていたので、ちょうど再接着も必要な良いタイミングでの修理でした。

―After③ ヒールカップのみ

ちょっと色味を変えて、薄い茶色系の革を使用しました。
上品な雰囲気で、いい感じです!

 

当て革に使用する革は、ご依頼時に店頭に在庫する革の中から、お好きなものをお客様に選んでいただきます。
元とは全然違う色にして、個性を出すのもアリです!
配送でのご依頼の場合には、いくつか候補をメールにてお送りします。おまかせでのご依頼もOKです。
(写真では色味が分かりづらい場合がございます。予めご了承ください。)

今回ご紹介したように、ヒールカップの修理の際には色々な修理パターンがありますので、ご予算や完成形のご希望など、お気軽にご相談いただければと思います。